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聞き手:

シェ-ナークライスフィルハーモニー管弦楽団 楽員(指揮者)

シェ-ナークライスフィルハーモニー管弦楽団 理事

益田 雄真

 

 

益田:それではよろしくお願いします。まずはお名前とパートを!

 

長野:長野里彩、ヴァイオリンパートです。

 

益田:いままでの音楽経歴を教えていただけますか?

 

長野:3歳の時にバイオリンを始めました。中学・高校で5年間、オーケストラの部活に入っていました。その後も大学の管弦楽団に入り、いまも続けています。

 

益田:なるほど、ヴァイオリンとは長い付き合いなんですね。ヴァイオリンとは別に、本職といいますか、専門としていることはありますか?

 

長野:大学では経営学部に所属していて、ゼミナールで経営戦略を専門的に学んでいます。

 

益田:長野さんはSKPが成立しかけだった前シーズンから演奏に参加してくださっていますが、この団の「特徴」といったらどのような点だと思われますか?

 

長野:自分たちの音楽を追求している点だと思います。

指揮者の先生をお呼びせずに一から自分たちだけで音楽を作っているため、常識や固定観念に囚われないオリジナルの演奏をすることができる環境だと感じています。プロの方の演奏を参考にしていますが、それが本当に良い音楽なのかということも含めて議論している様子が、この団ならではの演奏につながるのではないかと思っています。

 

益田:そうですね、クラシック音楽には「伝統」とか「通説」的なものがつきまといがちです。それらが本当に正しいものなのかを検証するべきだろうし、また本格的な検証とまでいかなくても奏者のみなさんが納得できるところまではつきつめていきたい、というのが当団の理念です。

たとえば今回のプログラム曲については、なにかお考えになったことはありますか?

 

長野:古典派からロマン派へという時代の流れを感じられるプログラムなので、それぞれの特徴を捉えた演奏を目指したいです。

特にモーツァルトとブラームスは演奏機会の多い名曲で印象的なメロディが多いので、なんとなくの雰囲気で演奏しがちだと思っています。まだまだ勉強不足ですが、表面的な演奏にならないよう、強弱記号ひとつをとってもなぜそうなのか、作曲家の意図を汲み取りながら演奏できるよう練習していきたいと思います。

 

益田:なるほど。今回のプログラム曲の中で、長野さんが「いちばん好き」「熱が入る」という部分はありますか?

 

長野:ブラームスが好きです。交響曲第1番はキャッチーなメロディが多く、どの楽章も素敵です。中でも1楽章の重厚な感じや4楽章の美しい第一主題から華やかなコーダへ盛り上がるところに魅力を感じます。2楽章のオーボエ、ホルン、コンマスのソロにはいつも聴き惚れています!

 

益田:おっしゃる通りで、素晴らしい曲です。それぞれの楽章固有の良さもあるのですが、楽章どうしのつながりについてなにか意識することはありますか?

 

長野:全体的に荘厳な雰囲気から華やかに終わる流れですが、自然に移り変わりながらも変化前後の差ははっきりと大きく出したいと思います。

例えば、1楽章と3楽章では4楽章を、2楽章では3楽章を予感させるメロディがあるので、そこを意識するだけでも全体の大きな流れを作れるのではないかと思っています。その中で、重々しさや芯の強さ、優しさなどの表情を緻密に作り上げていきたいです。交響曲ならではの壮大な構想や重厚な響きを出せるよう、試行錯誤していきたいと思います。

 

益田:そうですね、ベートーヴェンがシンフォニーで用いたパターンを継承しているともいえそうです。そして、やはり4つの楽章で1つの曲なのだ、というところを前面に押し出したいですよね。きょうはお時間なので、また、いろいろと聞かせてください!

では最後に、このインタビューをご覧になっているみなさんにひとことメッセージをいただけますか?

 

長野:ここまでインタビューを読んでくださってありがとうございます。この楽団はあたたかみがあって、良い方々ばかりです。私も楽しく参加させていただいています。

誰もが対等に意見を出し合えるこの団で本番に向けて頑張りますので、2月23日の演奏会本番、是非お越しください!

ありがとうございました。

2020年10月24日 

撮影:

シェ-ナークライスフィルハーモニー管弦楽団 楽員(Vc.)

加藤 由布子

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