Greeting from Director
代表理事・指揮者あいさつ
私たちがこの楽団を創立した狙いは,大きく分けて2つあります。
1つ目の狙いは,とにかく奏者主体のオーケストラを作ることにありました。近年,アマチュア楽団の数は非常に多く,大勢の方が様々なやり方でオーケストラでの演奏を楽しまれています。オーケストラという演奏形態の特徴からして,多くの場合は演奏に個々の奏者の見解が反映されにくいのが事実です。そこで,指揮者も楽器奏者も「対等に」意見を出し合って,「奏者みんなで一から(ゼロから)音楽を作る」オーケストラがあってもいいだろう,と考えたわけです。指揮者もいち奏者として楽器奏者との対話を幾度となく重ね,音楽を作り上げるオーケストラを目指しました。まだ残る課題はありますが,一歩一歩着実に,当初目指した理想に近づいているのを感じます。どうぞご期待ください。
さてもう1つの狙いは,アマチュア奏者に協奏曲を演奏する機会を提供することです。協奏曲の魅力を理解し,譜面を読み込んで練習をされている方でも,実際にオーケストラと合わせる機会に恵まれる方は少ないでしょう。しかし,協奏曲を演奏する喜びは,ソリストにとって,またオーケストラ奏者にとっても,大変大きいものです。この喜びを多くの方と共有したいと考え,当団では楽員からソリストを選出しています。どの回でも素晴らしいソリストたちに恵まれ,とても興味深い体験ができています。
私たちはこのような狙い,使命感からSKPを創立し,運営しています。そして多くの方からのご賛同をいただき,充実した活動をするに至っております。昨今は感染症の影響もあって,「生の音楽」に触れる機会が減ってしまいました。そのような状況の中でも,私たちは十分な感染症対策のもとで皆さまに「私たちなりの音楽」をお届けできるように,尽力してまいります。
2021年5月11日 コロナ禍の東京にて
〈プロフィール〉
東京都生まれ。3歳からピアノを始める。ピアノを高橋渚、山之内ひとみ両氏に、打楽器を岩崎りえ氏に、指揮・編曲法を佐川光一朗氏に師事。埼玉県立浦和高等学校吹奏楽部学
生指揮者,同校120周年記念オーケストラ指揮者などを務める。2016年より横浜フェスティバルオーケストラで指揮・ピアノを担当。2019年にアマチュアオーケストラ・シェーナークライスフィル創立メンバーとなり,指揮者に就任。2023年11月にはベルリンフィルハーモニー管弦楽団打楽器奏者のJan Schlichte, Raphael Haeger両氏らの指導を受け、首席指揮者Kirill Petrenko指揮のもと同管弦楽団主催「Be Phil Orchestra」に出演。また、オーケストラ・室内楽・吹奏楽・ピアノソロ・ピアノアンサンブルと幅広いジャンルの編曲を行っており、オーケストラでのピアノ・打楽器演奏や、指揮者としての経験を生かした編曲に取り組んでいる。ドレミ楽譜出版社より『4手連弾と2台ピアノのためのピアノデュオ・アルバム』好評発売中。

シェーナークライスフィルハーモニー管弦楽団
代表理事・指揮者
益田雄真